02/17(土) 18(日) シオヤプロジェクト presents まちをつかう まちをあそぶ – make space use space
かけがえのないものが
音も立てずにまちから消えていく。
なにげないものが愛おしい。
そういうものを
かたちにしておきたい。
MAKE SPACE USE SPACE。これはサッカーの基本の教えである。
パスの出しどころや走る場所がなくて、プレーが止まってしまう前に、
自分から動いてフリーな場所を作る、その場所を使えという言葉だ。
この言葉は、まちをつかった活動にも通じる。
まちが見逃し、ひとが見過ごすような場所を再発見し、
自分から動いて仕掛けたり、使い倒したり、掘ったりいじったり、
あるいはあえて自分は動かずに
それまでひとやまちが気づかなかったような場所や隙間、瞬間を捉える。
まちをつかって、活動する人たちを集めた。
その手法をより共有しやすくするために聞き手も集めた。
この活動のあれこれは
「どんなまちでも代替可能なもの」である。
この2日間で出てくる様々な遊びが、そのことを教えてくれるはずだ。
どんなまちでも始められる遊びを提案する。
出演:
シオヤプロジェクト × 多田智美(編集者 MUESUM)
若狭健作(尼崎南部再生)× 竹内厚(編集者 Re:S)
慈憲一(naddist)× 和久田善彦(編集者 ぴあ)
和井内洋介(suburb.jp)× スズキナオ(ライター)
オカダキサラ(写真家)× 森本アリ(シオヤプロジェクト)
出店:
かばくんカレー(2/17のみ)
六甲山系ピカソ(2/18のみ)
homesick cafe(2/17-18両日)
日時:
2024年2月17日(土) ①10:00-12:00 ②13:30-15:30 ③16:00-18:00
2024年2月18日(日) ④10:00-12:00 ⑤13:30-15:30 ⑥16:00-18:00
会場:旧グッゲンハイム邸 神戸市垂水区塩屋町3丁目5-17
料金:イベント各回 1,000円 通し券 5,000円 学生 3,000円(通しのみ)
フライヤーPDFはコチラ
2月17日(土)
①10:00-12:00
まちをつかいたおす シオヤプロジェクトのこと
シオヤプロジェクト
[聞き手] 多田智美(編集者 MUESUM)
海と山はあるけど、特にこれといった観光名所のない塩屋。そんな「なにもない」と言われがちな小さな町の、特徴や習慣、変なモノ・コトを面白がり、視覚化、文章化、イベント化して面白さを共有するのがシオヤプロジェクト。地域の個性や魅力とは新たに「つくる」ものではなく、READYMADE=既にそこにあるもの。それを使い倒してきた。塩屋百年百景、しおやカルタ、塩屋文学全集など「地元に暮らす当事者たちが徹底的に自分たちの住む町の足元を見つめ直す」(和久田善彦)実験と実践を繰り返してきた。彼らの(我々の)「なにもない」町でもできるたくさんの遊びについて披露する。
②13:30-15:30
まちをいじりたおす 尼崎南部再生のこと
若狭健作(尼崎南部再生)
[聞き手] 竹内厚(編集者 Re:S)
若狭さん曰く「世界で地名を公式に略しているのはロスとアマ(尼崎)だけ」だそうです。尼崎南部の地域活性化とイメージアップを図るためのローカルマガジン『南部再生』は、毎号、スレスレの切り口も含め尼崎をとことん弄る特集はあっぱれというか圧巻。既刊66刊。「運河カラオケ」、市場のたまれる本屋「二号店」、「8時だヨ!神さま仏さま」などの企画の数々。遊びなのか、まじめな社会活動なのか。時代とともに変わりゆく環境に阻まれ行ったり来たりしながらも、縦横無尽にアマを駆け回り、「どんだけアマをオモロがるか」と半ば狂気的にまちをイジリ続け、笑いながら、まちのなかに遊び場をつくる若狭健作の尼活から多いに学ぶことがある。
③16:00-18:00
まちをほりつくす 灘のnaddistのこと
慈憲一(naddist)
[聞き手] 和久田善彦(編集者 ぴあ)
「犬の散歩に例えて恐縮だが、神戸市灘区のどこをどう歩いてもナディストがマーキングしていない場所がないのである。」(平民金子)と言われるくらい、隅々まで灘を遊び知り尽くすナディスト。まち対抗の大喜利バトル「ちいきいと」では、モンスター的存在であり、おおよそ町とは無関係なお題に対して、まるでレコードをディグるように地元ネタを掘り起こし、蓄積した膨大なアーカイブからまちネタを披露する。「ナダタマ」「灘大学」「東神戸マラソン」など、これまで仕掛けてきた遊びやイベントを挙げればキリがなく、それら一見ふざけたような灘活動は、まちを面白くしている。一筋縄ではいかない慈氏のこれまでの灘活を見渡し、まちでの遊び方を学ぶ。
2月18日(日)
④10:00-12:00
不動架空旅行
和井内洋介(suburb.jp)
[聞き手] スズキナオ(ライター)
ウィキペディアによると、Googleストリートビューは、世界中の道路沿いの風景をパノラマ写真で提供するインターネットサービスの名称。道路版で提供されている画像は、専用に開発された自動車で各地を走行しながら撮影している。自動車が入れない場所では撮影機材を三輪自転車やスノーモービルに乗せて撮影し、それらでも走れない場所では人が撮影機材を背負って歩きながら撮影している。まちへ行かずとも、Googleストリートビューを使って、アメリカの郊外や小さな町を旅する和井内洋介さん。スズキナオさんとのトークを楽しみながら、会場の全員で旅をしたような、不思議な余韻が生まれるイベントへの招待です。
⑤13:30-15:30
奇跡瞬間写真
オカダキサラ(写真家)
[聞き手] 森本アリ(シオヤプロジェクト)
騙されないのでまずはオカダキサラさんのWEBをみてほしい。トップページには「街が見逃した奇跡の現場」というタイトルの下に、大きなスナップが割と早いスピードでスライドショーになってクロスフェードする。それらのスナップはどれも「奇跡」というハードルの高いお題を易々とクリアして、うそやん(いやこれはリアルだ。凄すぎる。)とこちら側を感嘆させる。それは厳選されたトップページのスナップにとどまらず、どの写真集もクオリティが高い。偶然や「奇跡」が起きる場所はどのように捉えられるのか。ストレートに「オカダさん、どうやったらそんな写真が撮れるんですか?!」を聞きたい。
⑥16:00-18:00
最近何撮!? まちの!まちの?
[コメンテーター]
和井内洋介
オカダキサラ
森本アリ
ところで最近なに撮ってますか?21世紀、テクノロジーの進化とスマホの普及によっていつでもどこでも、写真撮影ができるようになりました。そのような環境で、みんなどんな「!」や「?」をどんなふうに撮っているのでしょうか。まちの「!」「?」を持ち寄って見せあい&賞(め)であう会です。え、嘘な偶然や、なぜ?と問いかけたくなる不思議な場面、ナニコレやたまたまな珍景や、まちのヘンなモノ、超芸術や、トマソンや、蒐集している○○コレクションや、レディメイドなあれやこれや、ウルトラミラクルなスナップなど、1人1枚お持ちください。もちろん手ぶらもOK。みなさんからのまちで撮った「!」や「?」を、お待ちしております。
主催:シオヤプロジェクト
令和5年度 神戸市・まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成対象事業
予約・問い合わせ:塩屋百景事務局
TEL : 078-220-3924 FAX: 078-202-9033
E-mail : info@shiopro.net* ご予約送信の際に、ご希望の鑑賞日、氏名、電話番号、枚数を明記下さい。
* こちらからの返信をもって予約完了とさせていただきます。
* 火曜日水曜日が休館日のため、メールの返信は木曜日から順になります。
シオヤプロジェクト
2007年、森本アリが旧グッゲンハイム邸の面倒を見ることになり、同年シオヤプロジェクトの前身「塩屋百景事務局」を立ち上げる。『塩屋百人百景』『塩屋百年百景』の出版や、まち系のイベントを積極的に催したり関わったりしていくなかで、神戸市から助成金の活用を勧められる。助成金を使って町を遊んだり、いじったりしてもいいことに驚きつつ申請。2014年以降、シオヤプロジェクトを名乗る。現在メンバー10名。
多田智美
1980年生まれ。大阪を拠点に、編集者として活動を展開。「出来事の創出からアーカイブまで」をテーマに、アートやデザイン、建築、福祉、地域にまつわるプロジェクトに参画・伴走。「編集」の概念を広げながら、紙やウェブの制作はもちろん、建築の設計プロセスや企業理念の構築、学びのプログラムづくりなど、多分野でのメディアづくりを手がける。
若狭健作
地域環境計画研究所代表、「尼崎南部再生研究室」研究員。地元の人との“機嫌のよい”場作りを通して街にかかわるプランナー。尼崎南部地域の面白さを再確認するフリーマガジン『南部再生』の発行や、工業地帯の運河を使ったクルージングやカラオケ大会、ソースやぽんず、ねじばねくぎなどの尼崎名物の品評会など、“アマのプロ”として街を面白がる企画を繰り出す。
竹内厚
1975年生まれ。編集者、ライター、あと、自転車でうろうろする人。家は大阪、事務所は神戸、週に1度は京都に通いながら、京阪神を中心に編集、執筆を手がける。近年の仕事にウェブマガジン「カリグラシマガジンうちまちだんち」、「KIITO NEWSLETTER」、JIA(日本建築家協会)近畿支部広報誌「table」など。
慈憲一
1966年神戸市灘区生まれ。大学から灘を離れそのまま就職するも震災を機に帰灘。灘区をテーマにしたフリーペーパー「naddism」、メールマガジン「naddist」、WEBサイト「ナダタマ」などでマニアックな灘情報を発信しつつ、数々のイベント、ツアーを開催。摩耶山monte702店長、灘百選の会事務局長、摩耶山再生の会事務局長、水道筋商店街非公式案内人、坂バス無駄乗りの会会長、東神戸マラソン発起人など灘的肩書き多数。
和久田善彦
編集者。ぴあ株式会社。森本アリからアンドレス・イニエスタまでいろんな著者の本を作ってます。旧グッゲンハイム邸では、安田謙一さんと映画と音楽について話すイベントの他、時々DJをしたり庭でキャッチボールをしたり。塩屋の海でアオリイカだけを釣る集団「シオヤフィッシングクラブ」でも活動。
和井内洋介
1979年宮崎生まれ。現在は京都に在住。郊外の風景が大好き。2011年から、ストリートビューでアメリカの郊外や小さな町を巡る旅を始める。その旅の途中で撮影したスクリーンショットの展示を全国各地で開催。著書に『EVERYTHING I LONG FOR』『ESCAPE FROM SUBURBIA』など。好きな写真集はビル・オーウェンズの『サバービア』。好きなCDはアーケイド・ファイアの『ザ・サバーブス』。
スズキナオ
1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。WEBサイト『デイリーポータルZ』などに執筆中。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)『思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる』(新潮社)、酒場ライター・パリッコとの共著に『椅子さえあればどこでも酒場チェアリング入門』(ele-king books)などがある。
オカダキサラ
東京生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。10年社員カメラマンとして勤務し、2023年にフリーランスのカメラマンとして独立。「街が見逃した奇跡の現場」をテーマにストリートスナップを撮り続け、展示やZINEなどで発表している。写真コラム「週刊オカダ」「ニュー・シャッター・パラダイス」を連載中。2012年第4回1_WALLファイナリスト入選。2023年第1回キヤノンGRAPHGATE優秀賞受賞。
森本アリ
神戸の西の小さな町、塩屋の海辺の洋館「旧グッゲンハイム邸」の管理運営。「シオヤプロジェクト」を通じて塩屋という小さな町を文化的に遊ぶ、写真集、カルタ、アートブック、まちあるき、歩き回り音楽会、リサーチ、アーカイブ、地図、トーク、マルシェ…一般的には「まちづくり」「まちおこし」と呼ばれることをやってるみたい。嫌いな言葉は「まちづくり」「まちおこし」。著書に『旧グッゲンハイム邸物語』がある。