02/08 (土) 02/09 (日) まちのかたち キオクノキロク

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かけがえのないものが
音も立てずにまちから消えていく。
なにげないものが愛おしい。
そういうものを
かたちにしておきたい。

人口減少・空き家増加・サステナブル=持続可能な社会と叫ばれる。
まちの枠組みは変えずに中身が変容・熟成していけばいいんじゃないの?
そんな「まちのかたち」を考えたい。
かたちが変わると、前のかたちは思い出せない。
記憶に残すための「キオクノキロク」。

2018年、なんとなく塩屋と似ているまち、尾道のことを知りたくて「尾道×塩屋」というイベントを2日間にわたり開催しました。トーク、音楽、マーケット、まちあるき。尾道から30人がマイクロバスに乗って泊りがけで民族大移動。2019年には、「シオヤアキヤ|古家再生」を2日間。増え続ける空き家の楽しい利活用を考えるイベント。塩屋のたくましいDIY女子、神戸や大阪のリノベーションマスター、ニューエッジな建築家たちによるトーク。そして塩屋リノベ古家およそ20軒のお宅訪問ツアーを開催。2020年、「まちのかたち|キオクノキロク」。目に見える“かたち”だけではなく、日々の暮らしやまちのなにげないものも含めた記憶を記録することを考えます。

両日とも元町の書店「1003」の出店あり!
トークゲストの著作から、まちを考えるための本まで販売いたします。

出演:
川口瞬+來住友美(真鶴出版)
橋本倫史(『ドライブイン探訪』『市場界隈』)
豊田雅子(尾道空き家再生プロジェクト)
木坂葵(おおさか創造千島財団)
慈憲一(naddist)
本田亙(ちいきいと)
森本アリ(塩屋百景)
岩淵拓郎(一般批評学会)
若狭健作(尼崎南部再生研究室)
平民金子(ごろごろ、神戸)
スズキナオ(チェアリング、酒の穴)
芝田真督(神戸立ち呑み巡礼)
※出演順

出店:
1003
喫茶シロクマ 2/8(土)のみ
かばくんカレー 2/8(土)のみ
塩屋ハッピーマンデークラブ 2/9(日)のみ

日時:
2020年2月8日(土) ①10:00-12:00 ②13:00-15:00 ③16:00-18:00
2020年2月9日(日) ④10:00-12:00 ⑤13:00-15:00 ⑥16:00-18:00

会場:
旧グッゲンハイム邸(JR / 山陽塩屋駅徒歩5分)
〒655-0872 神戸市垂水区塩屋町3丁目5-17

料金:
イベント各回 1,000円/全6回通し券 4,000円
※事前予約が必要です

2月8日(土)

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①10:00-12:00 まちをしるす

出演:
川口瞬 ・ 來住友美(真鶴出版)
橋本倫史(『ドライブイン探訪』『市場界隈』)

定点でまちを記録する「真鶴出版」の川口・來住夫妻と、移動しながらそこにある風景や人の歴史を記録し続ける橋本氏。両者ともに、なんのツテもなく、その土地やそこにいる人たちに魅了され、通い、暮らし、記すことを続けている。川口・來住夫妻は、神奈川県の小さな港町・真鶴に魅了されて移住し「泊まれる出版社」をコンセプトにゲストハウスの運営と出版活動を手がけることで、暮らしの中で発見したまちや人の魅力を記し続ける。橋本氏は、サービスエリアや道の駅でもなく昨今消えつつある全国のドライブインを訪ね歩き、長年にわたりドライバー客を迎え続けてきた店主たちを取材。また、2019年に建て替えが決まった沖縄・那覇市の第一牧志公設市場とその界隈の人々へ丁寧な取材を重ねそれぞれの半生を伝える。失われつつあるまちの、今ある風景を残すための手法や関係づくりに迫る。

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②13:00-15:00 まちをいかす

出演:
豊田雅子(尾道空き家再生プロジェクト)
木坂葵(おおさか創造千島財団)

「坂と路地のまち」の風景をつくりだしてきた尾道では、車の入れない斜面地や路地にある民家の“空き家化”が進んでいる。そんな中、まるで「りんごを買うように」古家を買い、解体の危機に瀕していた空き家を再生し続けてきた豊田氏。「おおさか創造千島財団」の母体である「千島土地」は、北加賀屋を含む大阪市内におよそ300,000坪の敷地を持つ。名村造船所跡地など、その土地にある、かつての工場やビル、倉庫、長屋などの空き物件生かして次々とクリエイターやアーティストの創造拠点として再生している。再建築不可物件における古家再生やリノベーションのハードルは高く、多くの空き家が放置されているのは全国的な社会問題。そうして失われつつあるまちの景色を守るため、建物を残し、活かし、移住を促進し、雇用をつくり出し、クリエーターやアーティストをサポートする。尾道と北加賀屋の、地域再生物語。

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③16:00-18:00 まちをみたてる

出演:
慈憲一(naddist)
本田亙(ちいきいと)
森本アリ(塩屋百景)

「犬の散歩に例えて恐縮だが、神戸市灘区のどこをどう歩いてもナディストがマーキングしていない場所がないのである。」(引用:平民金子『ごろごろ、神戸。B面』)。見立ての妙を競う地域自慢合戦「ちいきいと」は、むちゃぶりなお題に対して、地元写真でわがまちの魅力を競うものである。いいところをいい感じにだけ伝えるメディアとは一線を画し、まるでレコードをディグるように地元ネタを掘り起こし、蓄積したその膨大なアーカイブをネタにまちのおもしろさを競う大喜利バトル。おおよそ町とは無関係なお題をもって見立てることで、日常の風景に新鮮な視点を与える。地域の個性や魅力とは新たに「つくる」ものではなく、既にあるそのまちやそこに住む人の中に見つけるものである。中心メンバー3人によるクロストーク。

「喫茶シロクマ」「かばくんカレー」の出店あり!

2月9日(日)

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④10:00-12:00 まちでつまずく

出演:
岩淵拓郎(一般批評学会)
若狭健作(尼崎南部再生研究室)

文化芸術関連の書籍の編集、文化プロジェクトの企画を手がけているとは聞くけれど。「#ヅカグラシ」というハッシュタグをSNSに投稿する、たったそれだけの、岩淵氏によるfrom宝塚のメディア運動。ほかにも「現地集合現地解散の旅」、「パリコレ鍋」など敷居の低い社会実験を数々仕掛ける。尼崎南部の地域活性化とイメージアップを図るためのフリーマガジン『南部再生』発行人の若狭氏は、市民に身近な話題をおもしろおかしく掘り下げる。編集会議は市民も参加してオープンに。「R75」、「そうだ選挙、行こう。」など、一見ふざけているようだけれど社会の課題に鋭く切り込む特集を手がけ、読むものの心を惹きつけている。遊びなのか、まじめな社会活動なのか。時代とともに変わりゆく環境に阻まれて行ったり来たりしながらも、笑いながら鋭く社会の本質を突く2人の意図とは。

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⑤13:00-15:00 まちにのまれる

出演:
平民金子 (ごろごろ、神戸)
スズキナオ (チェアリング、酒の穴)

まちに酒場は欠かせない。神戸の下町の日常を子育てフィルターを通して赤裸々に綴った「ごろごろ、神戸」、平民氏。神戸市の公式サイトとは思えないほどくせのある神戸案内+育児日記。真昼間から缶チューハイを開栓し、ベビーカーをごろごろ押しながら子連れで入店できる酒場を探す内容は、神戸で暮らす魅力を平民氏ならではの視点で届け話題となった。若手飲酒シーンの大本命、スズキ氏。素朴な疑問と分かりやすい文体、素直な感想の突撃取材がめっぽう面白い。そっくりそのまま追体験したい素晴らしいルポルタージュの数々。2019年末には、2人揃って立て続けに著書を刊行。彼らは今日も酒場を巡り、酒をみつめている。そんなふたりのまちの呑み屋のよもやま話。

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⑥16:00-18:00 まちでうなづく

出演:
芝田真督 (神戸立ち呑み巡礼)
聞き手:スズキナオ / 平民金子

大衆食堂、酒場、喫茶店。観光スポットや高級店を紹介するような紙媒体しかまだないインターネット黎明期から、庶民が気軽に行けるようなお店情報を自身のサイトで発信し続けてきた芝田氏。彼とまちを歩けば「(見えてない)あそには◯◯がある」「昔ここには△△があった」など、今あるものとかつてそこに存在していたものをごちゃ混ぜにしてまちのかたちを再現してくれる。芝田氏が運営するWEBサイト「神戸市内角打ちリスト」には、神戸市内の酒屋と角打ちができるお店が、廃業したところも含めて一覧になっている。この情報だけでも文化財級だが、今回は写真やコメント付きで名店の話を聞く。芝田爺を囲んでの、公開酒場談議。

主催:シオヤプロジェクト
平成30年度 神戸市・まちの再生・活性化に寄与する文化芸術創造支援助成対象事業

予約・問い合わせ:旧グッゲンハイム邸

TEL : 078-220-3924 FAX: 078-202-9033
E-mail : guggenheim2007@gmail.com

* ご予約送信の際に、ご希望の鑑賞日、氏名、電話番号、枚数を明記下さい。
* こちらからの返信をもって予約完了とさせていただきます。
* 火曜日水曜日が休館日のため、メールの返信は木曜日から順になります。

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川口瞬+來住友美

2015年4月に真鶴に移住。「泊まれる出版社」をコンセプトに、真鶴に関する書籍の制作やWEBでの情報発信をしながら、その情報を見て実際に訪れた人を宿に受け入れる活動をしている。宿泊ゲストには1〜2時間一緒に町を案内する「町歩き」をつけており、普通に来ただけではわからない真鶴の魅力を紹介している。出版担当が川口で、宿泊担当が來住。

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橋本倫史

1982年広島県東広島市生まれ。学習院大学卒業。2007年に『en-taxi』に寄稿し、ライターとして活動を始める。また、2007年にリトルマガジン『HB』を創刊し、以降『hb paper』、『SKETCHBOOK』、『月刊ドライブイン』、『不忍界隈』などのリトルプレスを手がける。著書に『ドライブイン探訪』(筑摩書房)、『市場界隈  那覇市第一牧志公設市場界隈の人々』(本の雑誌社)がある。琉球新報にて「まちぐゎーひと巡り」を連載中。

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豊田雅子

1974年尾道に生まれ、坂や路地に囲まれて幼少時代を過ごす。高校卒業後初めて尾道を離れ大阪に出て、故郷の良さを再認識する。関西外国語大学英米語学科を卒業後、JTBの専属のツアーコンダクターとして海外を飛び回る生活を8年ほど続ける。渡航歴は100回以上。帰郷して結婚後、その経験を生かして尾道らしいまちづくりを提唱する「尾道空き家再生プロジェクト」を発足。現在、同NPOの代表理事を務めながら、双子男児の母として日々奔走中。

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木坂葵

一般財団法人おおさか創造千島財団事務局長。神戸大学文学部哲学科卒業。在学中よりアートマネジメントに関わる。「水都大阪2009」「瀬戸内国際芸術祭2010」「おおさかカンヴァス」を経て、2016年千島土地(株)入社後、アート関連事業を担当。千島土地および千島財団では、「KCV(北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ)構想」を提唱し、北加賀屋エリアを「芸術・文化が集積する創造拠点」として再生することを目指している。主なKCV拠点に、クリエイティブセンター大阪、MASK、コーポ北加賀屋、千鳥文化、みんなのうえんなどがある。

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慈憲一

1966年神戸市灘区生まれ。大学から灘を離れそのまま就職するも震災を機に帰灘。灘区をテーマにしたフリーペーパー『naddism』、メールマガジン「naddist」、WEBサイト「ナダタマ」などでマニアックな灘情報を発信しつつ、数々のイベント、ツアーを開催。摩耶山でレンタルショップmonte702開店。灘百選の会事務局長、摩耶山再生の会事務局長、水道筋商店街非公式案内人、坂バス無駄乗りの会会長、東神戸マラソン発起人、六甲縦走キャノンボールラン主催など灘的肩書き多数。

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本田亙

神戸市広報課。1974年香川県高松市生まれ。1999年大学院卒業後、半年間のニート生活、設計事務所・デザイン事務所で内装設計、まちづくり、違法建築調査などのフリーター生活後、2001年神戸市役所入庁。以降、再開発、密集市街地における住環境改善などに関わり、2009年より創造都市戦略「デザイン都市・神戸」を担当。「KIITO」や「issue+design」などのソーシャルデザインに携わるとともに2010年より、お笑い系地域抗争「ちいきいと」を開始、現在28回を迎える。現在、市長室広報課に配属、広報媒体のほか、「神戸のうわさ部」を担当。

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森本アリ

普段は音楽家と塩屋の築105年超の海辺の洋館「旧グッゲンハイム邸」管理/運営人の2足のわらじ。塩屋の未来を考えるようになり「塩屋まちづくり推進会」で活動。「塩屋百景」を立ち上げ写真集『塩屋百人百景』『塩屋百年百景』さらに『塩屋借景』を発行。単著に『旧グッゲンハイム邸物語 未来に生きる建築と、小さな町の豊かな暮らし』がある。 塩屋の町に100年後200年後もあまり変わらないでいて欲しいと願う。

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岩淵拓郎

1973年、兵庫県宝塚市生まれ/在住。2010年ごろまで美術作家をやってたけど、辞めてフリーの編集者へ。最近はアート関係の書籍や冊子を作りながら、お金になることもならないこともいろいろやっています。以下、進行中のいろいろ:一般批評学会、みんなのたからづかマチ文庫、最近何聴@グ邸、ちいきいと、もちよりパーティー研究家、裏輪呑み、なんだこれ?サークル、蓬莱峡の下会議、パリコレ鍋、現地集合現地解散の旅、ヅカグラシ、此花・あの人と映画、レディオ・ヨーヨー、編集者じゃない人のための編集講座。

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若狭健作

尼崎南部地域の面白さを地元の人とともに再確認するフリーマガジン『南部再生』の発行や、工業地帯の運河を使ったクルージングやカラオケ大会、ソースやぽんず、ねじばねくぎなどの尼崎名物の品評会など、“アマのプロ”として自分たちのまちを面白がる企画を繰り出し20年。尼崎大気汚染公害訴訟の和解金を使って2001年に設立された「尼崎南部再生研究室」の研究員として活動するかたわら、代表を務める株式会社地域環境研究計画所では、都市やまちにかかわる調査・コンサルティング・企画などを各地でおこなう。

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平民金子

1975年生まれ。写真家・文筆家・スプラトゥーン愛好家。中国、メキシコ、北海道、沖縄、東京などを転々としたのち、2015年より神戸市在住。2017年より、神戸市広報課のオフィシャルブログにて「ごろごろ、神戸」を連載。炎の料理人。台所とトイレを誰よりも綺麗に使います。2019年12月に『ごろごろ、神戸。』を出版。

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スズキナオ

1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。 WEBサイト『デイリーポータルZ』『メシ通』などを中心に執筆中。 テクノバンド「チミドロ」のメンバーで、大阪・西九条のミニコミ書店「シカク」の広報担当も務める。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』、パリッコとの共著に『酒の穴』(シカク出版)、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)、『“よむ”お酒』(イースト・プレス)がある。

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芝田真督

日本ペンクラブ会員。神戸の下町に古くからある大衆酒場、大衆食堂、純喫茶などに興味を持ち、インターネットや書籍を通じてその魅力を伝えている。「兵庫下町まちあるき(兵庫図書館)」「純喫茶で学ぶ食のルポルタージュ(KAVC)」「下町グルメのススメ(下町芸術大学)」などの案内役を務め、現在、サンテレビのホームページにてコラム「神戸角打ち巡礼」を連載中である。著書に『神戸ぶらり下町グルメ』『神戸立ち呑み八十八カ所巡礼』『神戸懐かしの純喫茶』(以上神戸新聞総合出版センター)などがある。

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