01/19 (木) グ音楽講座92「ジョン・ルーリーを聴く」

「ラウンジ・リザーズ」。彼らは自らの音楽を「フェイク・ジャズ」と呼んだ。僕がその音楽に出会ったのは1990年、高校生の終わり頃のこと。ジャズやロックやニューウェイヴやパンクやノイズをいっしょくたにしたその音楽を、心底かっこいいと思ったもんだった。管楽器をやっていて、ジャズという名を冠する音楽を聴き始めた僕は、「うわっ!カッチョいい!」と痺れたもんだ。

初めて観に行った「ラウンジ・リザーズ」のライブは2部構成だった。1部がジョン・ルーリーの弟のエヴァンのピアノソロ。2部がジョン・ルーリーのサックスとカルヴィン・ウェストンのドラムとビリー・マーティンのパーカッションのトリオ編成で、30分もありそうな長い即興っぽい演奏は阿波踊りのようで、でも変化に富んでいてかっこよかった。そのライブの少し後に、このトリオの音源は「ジョン・ルーリー・ナショナル・オーケストラ」という、やっぱりちょっとふざけたかっこいいユニット名で発売された。

エヴァン・ルーリーはタンゴ的な叙情に溢れた音楽を得意とし、数々の映画のサントラを手がけている。ジョンとエヴァンの兄弟がアート・リンゼイらと1978年に組んだのが「ラウンジ・リザーズ」。その後、メンバーや音楽性を変え続け、前述のカルヴィンやビリーを始め、マーク・リボー、スティーブ・バーンスタイン、ジェーン・スカーパントニら、いやいやもっとたくさんの素晴らしい音楽家たちの実験と実践の場になり、彼らの登竜門となった。

バンド以外のジョン・ルーリーは、ジム・ジャームッシュやデビッド・リンチの映画に出演していたり、映画のサントラを制作していたり、画家であったり、映画監督として「フィッシング・ウィズ・ジョン」というダラダラしすぎの迷作で名作も手がけるマルチタレントだ。

ほんの一部になるでしょうが、私たちの好きな「ジョン・ルーリー」を一緒に楽しんでもらえれば嬉しいです。

ナビゲーター:
稲田誠(BRAZIL)
山本信記(popo)
森本アリ(三田村管打団?)

日時:2023年1月19日 (木) open 19:00 start 19:30
会場:旧グッゲンハイム邸(JR / 山陽塩屋駅徒歩5分)
   神戸市垂水区塩屋町3丁目5-17
料金:投げ銭
主催:森本アリ
共催:塩屋音楽会

予約・問い合わせ:旧グッゲンハイム邸
TEL : 078-220-3924 FAX: 078-202-9033
E-mail : guggenheim2007@gmail.com

* ご予約送信の際に、件名を「チケット予約」としたうえ、
ご希望の鑑賞日、氏名、電話番号、枚数を明記下さい。
* こちらからの返信をもって予約完了とさせていただきます。
* 火曜日水曜日が休館日のため、メールの返信は木曜日から順になります。


稲田誠 (いなだまこと)

コントラバス/エレキベース奏者。棚レコード代表。レコーディングエンジニア兼農家。子供5人。PAAP、Brazilという自己のバンドやDODDODO BAND、トンチトリオ等のユニットでベースを弾き、ときどき歌う。

山本信記

trumpet,synth 大原裕のブラスバンド「LIVE! LAUGH!」、スカバンド「Hi-Kings」に参加(Hi-Kingsでは、1999年にRico Rodriguezのtour bandをつとめる)。現在、江崎將史(trumpet)と喜多村朋太(organ)とのチェンバースカバンド「popo」や、武村篤彦(泊)との御幸楽DJユニット「モダンDJ特選集」などで活動。

森本アリ

神戸、塩屋の海辺の洋館「旧グッゲンハイム邸」管理人。「塩屋音楽会」企画/運営。技術のないことを武器に音楽の敷居を下げ続ける音楽家。「三田村管打団?」「口八丁」「ペ・ド・グ」「カメアリ・エレクトリック」「もだえ」「音遊びの会」やソロで活動。映画「繕い裁つ人」に神父役にて米粒ほどの出演。

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